あらすじ
清廉忠義の目付十人と、蔑みに歪む、お城坊主。
希代の企みは防げるか
表台所の味噌樽に毒草が。
台所組頭の屋敷の放火で、目撃される坊主頭の男……。
目付たちの探索に浮上する同朋頭の悲哀と覚悟!
江戸城表台所の小座敷で賄いの朝飯を食べた目付や小姓、小納戸衆が腹痛で七転八倒、味噌汁にあたったようだった。調べると味噌樽に毒草が入れられていた。いったい誰が、何のために? さらに表台所組頭の屋敷が放火され、放火犯は坊主頭だったという。目付の調べが進むと、目付筆頭もよく知る清廉潔白といわれる同朋頭に大きな疑惑が生まれ……。江戸城を舞台の第二弾!
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Posted by ブクログ
素敵なシリーズに会えたことに感謝!
今回の始まりは、目安箱への訴状から端を発する。
武士といえども、無役で、禄も低ければ生活は貧しい。
子が多ければまたなおさら。
貧しい御家人の息子、吉田種四郎が上様に願ったのは弟の行方を探してほしいということ。
貧しい暮らしぶりから美しい母譲りの9歳の息子が妾某公に売られたと聞くことに。
また、城中の台所の味噌樽に、毒が混入した事件は、坊主頭にする習いの役どころ、同朋という役目。
なかなか時代小説のなかでも、説明されない部署が事細かく説明されていて、人間関係も深みを表し見応えがある。
人情と政道の正しさを綾織のように悩む目付け衆たち。
第2弾のこの本も素敵な作品だ。
本丸 目付部屋 目安箱
目付筆頭の妹尾十左エ門、情けの濃い思慮深い捜査
貧乏御家人の、人身売買にお茶坊主が絡むのを見事に、「匙加減」し御家人の倅を救い、役目を果たす
経済破綻した、徳川幕府の「負」の部分に光を当てながら、ほんわか未来に光を当てたストーリーは、読み手を安堵させる
さすがである