あらすじ
ワケあり物件の謎を解く、それが入居の条件。
「私と一緒に、ワケあり物件の謎を解いていただく。これが、入居の条件です」
三軒茶屋のはずれ、深夜二時から四時の間だけ灯りがともる「午前二時不動産」。
店主の青年・柏原泉は、迷い込んだ客たちにぴったりの格安物件を紹介してくれる。
ただし、入居に際しては条件が一つ。それは泉とともに、その物件にまつわる謎を解くことだ。
愛するハムスターを亡くした女性の最大の後悔とは。タワマンの一室に届き続ける匿名の手紙の差し出し人は? 部屋をアート作品のように彩り亡くなったおじいさんが遺した、謎の言葉の意味とは。
部屋に秘められた想いが、悩める人々の背中をそっと押してくれる。
ようこそ、勇気をもらえる謎解き内覧へ。
【第一章 ハムスターを追いかけた部屋】
渋谷区、広尾駅徒歩6分、1K、家賃47,000円、告知事項あり
【第二章 名無しの手紙が届く部屋】
江東区、豊洲駅徒歩12分、28階2LDK、家賃95,000円、告知事項あり
【第三章 魔法の箱が開く部屋】
世田谷区、千歳烏山駅徒歩13分、2K、家賃80,000円(但し残置物引き取りの場合35,000円)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
部屋が鍵を握る不動産ミステリー。
3編どれも面白かった。
ひとつの部屋からスタートして、話が展開していくなかで人間模様がしっかり描かれており、感動的ですらあった。
Posted by ブクログ
格安の瑕疵物件を契約するにはその部屋に関わる謎を解かなければならない。ちょっと変わった不動産屋店長を助手に、ド素人探偵(客)が次第に故人に心を寄せながら推理を深めていく構図が、読んでいて心地よい短編3話。3話目は特に、謎、ストーリー共にドラマティックだった。続編が出たら読みたい。
Posted by ブクログ
いわゆるフツーの日常の謎で終わる作品集なんだろうなって感覚だったけど、ちゃんと面白かった。
部屋に秘められた謎を解くことにより人間を描いてあらわしていくのは良かったし、結構ミステリもちゃんとしてた。
だから二作目あったら読む。
2881冊
今年109冊目
Posted by ブクログ
読み終わった。
心理的瑕疵のある物件を格安で扱う不動産。
ただしその物件の謎を解かないと入居はできない。
面白い設定で、また短編なので読みたい時に少しずつ読めてよかった。
最近イヤミスばかり読んでいたので、
登場人物やその背景がホワイトでとても安心して(いい意味で肩透かしを喰らい)読めた作品。
謎自体もありふれた感がなく面白かった。
物件ありきなので、ドラマでは難しそうだが、ドラマ化したらちょっと見てみたい。
Posted by ブクログ
3つの短編からなるお話
ハムちゃんの飼い主は大切なペットを死なせてしまった自責があるとはいえ後追いするかとか、いくらなんでも賃貸の壁を装飾しすぎなんじゃないかとか、ワケアリ住人とワケアリ物件が出てくる。ただそのままでは不気味だから、納得してから入居するというのは確かに良いシステムかなと思う。2話目の瀬名さんのお話が好き。
Posted by ブクログ
設定は突飛だけど、一つ一つに優しさが見える良いお話。
私のいちばんのお気に入りは3番目。
誰かを思い制作する凄さと温かみが良かった!
①亡くなったハムスターの後を追って自殺した元居住者。死の理由を知るためにハムスターの死についてしらべていくうちに…
ハリネズミのもちおラブなか人故にハムスターの死因がわかる⁈
②タワマンで服毒自殺した女子高生の家に届く謎の封筒。それは始めは親への抗議。後半は愛する彼氏へのメッセージ。
③おじいちゃんが孤独死した部屋には壁一面の壁画が。壁画の意味を解くと、そこには数十年思いを寄せていた娘ともとれる女の子への会いたい気持ちだった。
Posted by ブクログ
面白かった〜!
サクサク読める。設定も変わってて楽しい。
キャラもいい感じ!
2話目はホロりとしてしまった
もっと色んな物件読みたかったなあ…
Posted by ブクログ
不動産と謎解きという組み合わせは新鮮さを感じて面白かったです。
読んでいて話も重くなかったので気軽に読み進めながら楽しんで謎解きに参加することができました。