作品一覧

  • 小さなことばたちの辞書
    4.5
    1~2巻2,970~3,168円 (税込)
    ことばに生涯を捧げた女性を描く珠玉の一篇。 「生きるということは、ことばを集めることだ――べつに辞書編纂者でなくても。エズメがそれを教えてくれる」――国語辞典編纂者・飯間浩明  19世紀末の英国。母を亡くした幼いエズメは、『オックスフォード英語大辞典』編纂者の父とともに、編集主幹・マレー博士の自宅敷地内に建てられた写字室に通っている。ことばに魅せられ、編纂者たちが落とした「見出しカード」をこっそりポケットに入れてしまうエズメ。ある日見つけた「ボンドメイド(奴隷娘)」ということばに、マレー家のメイド・リジーを重ね、ほのかな違和感を覚える。この世には辞典に入れてもらえないことばがある――エズメは、リジーに協力してもらい、〈迷子のことば辞典〉と名付けたトランクにカードを集めはじめる。  大英語辞典草創期の19世紀末から女性参政権運動と第一次世界大戦に揺れる20世紀初頭の英国を舞台に、学問の権威に黙殺された庶民の女性たちの言葉を愚直に掬い上げ続けた一人の女性の生涯を描く歴史大河小説。  2021年豪州ベストセラー1位(フィクション部門)、NYタイムズベストセラーリスト入り。「ことば」を愛するすべての人に贈る珠玉の感動作。
  • イスタンブル、イスタンブル
    4.0
    1巻2,475円 (税込)
    美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。  イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。  2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 (底本 2023年9月発売作品)
  • マイク ~MIKE~
    3.6
    1巻1,287円 (税込)
    人生の岐路に立つ君に贈る「幸せのガイド」。 元テニス選手の父の薫陶を受け、U-18王者を目指す15歳のフロイド。ある日の試合中、マイクという青年がコートに現れる。どうやらマイクは、他の人には見えないらしい。動揺するフロイドは両親と共に訪ねた精神科医と話をするうちにマイクの正体を知り、自分の心の奥底の「本当の気持ち」に気づいてしまう……。 英国ウィットブレッド賞受賞の児童文学作家が人生の岐路に立つ君に贈る、自分の心の奥底に触れ、人生の宝物を得るための「幸せへのガイド」。 『いま、ここで輝く。』『ルポ 教育虐待』などの著者で教育ジャーナリストの、おおたとしまささんによる解説も必読です。
  • ワン・プラス・ワン~THE ONE PLUS ONE~
    4.3
    1巻1,133円 (税込)
    本当の家族って?メガヒット作家最新作!  イギリス南部の海岸沿いの町に暮らすジェスは、清掃業とパブ勤めをかけもちしながら、10歳の娘タンジーと、別居中の夫の連れ子で16歳の息子ニッキーを育てる27歳のシングルマザー。生活は極貧、子供たちは時々いじめに遭っているけれど、持ち前のタフさとポジティブさで何とか日々を凌いでいた。ある日ジェスは、タンジーの学校の教師から、数学競技会の出場を薦められる。タンジーにはずば抜けた数学の才能があり、競技会の成績次第で奨学金が認められれば、一流校での教育が受けられるというのだ。期待に胸膨らませながらも、会場のスコットランドへの交通費すら捻出できず悩むジェス。一方その頃、ジェスが清掃サービスをする海辺の高級コテージでは、インサイダー取引容疑で逮捕の危機にさらされたIT長者のエドが人目を避け引きこもっていた。ひょんなことからジェスとエドが出会い、エドはこの凸凹家族と老犬一匹を連れ、車で英国縦断の旅をすることに……。  本当の家族って?本当に大切なものって?メガヒット『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日』の著者が描く、ちょっぴり塩っぱくてハートフルなロードノベル!(2018年2月発表作品)
  • マリーゴールド・ホテルで会いましょう
    4.0
    1巻1,034円 (税込)
    ロンドンで医師をしているインド系のラヴィは、いとことともに新事業を立ち上げた。物価の安い故郷のバンガロールに高齢者ホームを作り、イギリスの引退者を送り込むのだ。馬の合わない下品な義理の父親も含めて……。やがて、宣伝につられた様々な男女が、彼らの新たな家となるマリーゴールド・ホテルに集まった。インドでの刺激的な新生活を期待して――
  • 小さなことばたちの辞書

    Posted by ブクログ

    辞書は男の言葉でできている、そんなことに気付かされる物語。
    全ての英語を記載する辞書を作る過程を描きながら、そこからこぼれ落ちる言葉に注目したという、それだけですごい作品。
    女性たちの、”取るに足らない””学術的な価値がない”などとされていた言葉を拾い集めることで、それを使う人々の地位や出自、そして性別によって、残されるべき言葉が決まっているのかもしれない…。
    言葉に取り憑かれたような女性、エズメの人生を描きながら、過去と現代を照らし合わせることで、見えていなかったものが見えてくる作品だった。
    個人的には、なぜある言葉を”卑猥”と感じるのか、その視点がなかったので、本編と訳者のあとがきを読むこ

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    2025年05月08日
  • 小さなことばたちの辞書

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読んでよかった。
    ことばを持つこと、ことばを扱うこと、ことばを得ること。ひとつひとつが大切で、意味のあることだって実感できた。

    すくいあげられない市井の人のうつくしさも素晴らしかった。
    エズメは当時の女性にしては恵まれていたが、それでもやっぱり「女」であることからは逃れられなくて、「持つ者」としてのエズメと「持たざる者」としてのエズメ両方を描いているところが好き。

    メイベルもディーダもガレスも好き。リジーはもちろん好き。リジーがいたからエズメは「ボンドメイド」ということばが引っかかったのだろうし、エズメがいたからリジーはいろんなことばを獲得して、ことばを通して心について考えたりできたのでは

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    2025年05月07日
  • ジェリコの製本職人

    Posted by ブクログ

    第一次世界大戦下のイギリス、オックスフォードの製本所で働く女性ペギーが地位を超えて大学を目指すお話。障害を持つ妹、戦争の影響、女性の権利の低さ。ペギーが卑屈すぎると何度も感じたけれど、それは今までペギーが受けてきた視線や言葉や待遇の裏返し。普段は日本の小説を好んで読んでいるけれど海外の小説はやはり世界が広いなー。これからもぼちぼち読んでいこうと思う。

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    2025年05月03日
  • ジェリコの製本職人

    Posted by ブクログ

    小さなことばたちの辞書が素晴らしかったので、姉妹本とされるこちらの本も手に取りました

    女性差別が酷かったこの時代
    今では当たり前にある権利は、こういった女性差別に苦しんできた人たちが勝ち取ってきたものなのだと思うと、大切にしなければならないと思います

    また、この本からは諦めない心も学べる

    本を読むということは、楽しみもあるけれど、学びの一面もある
    全ての本が好きな人たちに、読んでみてもらいたいと思います

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    2025年05月02日
  • 小さなことばたちの辞書

    Posted by ブクログ

    読み始め、翻訳特有のとっつきにくさを感じ、完読できるのか不安になってしまい、ブグロクでネタバレの無い感想を先に読みました。ポジティブな感想が多く、それ以降は、ほとんどのめり込むように、本の世界に入ってる自分がいました。
    日本の辞書編纂を題材とた船を編むは読んだ事がありましたが、やはりどの国でもこのテーマって愛されるんだなぁと思いました。
    彼女の数奇な運命に私も何度も涙を流し、彼女を取り巻く様々な人の人生を垣間見て、私も力をもらい、彼女の人生に人しれず伴走して生き切った感じです。
    辞書は、それを作った人達の熱意や、出典元となる言葉を提供してくれた人々の気持ちも全部乗せて、文字が組まれて印刷されて

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    2025年04月01日

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