斎藤真理子の作品一覧
「斎藤真理子」の「すべての、白いものたちの」「ギリシャ語の時間」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「斎藤真理子」の「すべての、白いものたちの」「ギリシャ語の時間」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
作家のキョンハが悪夢を見るようになって旧友のインソンが住む済州島に会いに向かった。彼女の懇願に負けてオウムを助けるために無人の家に行くことになった。済州島の四・三事件を題材にした愛についての物語。インソンはその事件を忘れられない母の狂気の渦に巻き込まれそうになっている。そしてその渦にキョンハも連れて行かれ…。鳥達や雪片などの自然の美しさと対照的なのが人間の心の光と闇である。人間とはもともと残酷な生き物かもしれない。そして、過去を決して忘れないこと。それは自分以外のあらゆる存在を愛し赦すことから始まる。私が今まで読んだハン・ガンの小説の中で最も深く完成度が高い。それどころか今生きている作家の中で
Posted by ブクログ
もっと早くに読むべきだった。
私にも、兄の前にもう1人、兄がいたと
きかされたことがある。
その兄は流産で亡くなってしまったのだと。
なんとなく、何度も聴ける話ではないと思い
その事実だけ胸にしまい、事実として
「忙しかった若かりし頃の母の辛い過去」
という認識でいた。
この本でも書かれていたように、
その兄が生きていたら、今頃わたしは
この世にいなかったのかもしれない。
占いはあまり信じない方だが、
学生の頃、記念にと京都タワーの地下で
手相を見てもらったことがある。
子どもや年寄り、動物に好かれるよと言われ、
「鳥のフンには生涯8回見舞われたことがあるが、そのことか」
「恋愛運はあまり
Posted by ブクログ
美しい詩のようだった。
死のちかくで生きる、生のちかくで死ぬ。
登場人物たちは、それらを、まっすぐに、静かに見つめている。
命、自然、それらすべてに「永遠はない」と。
読みながら、少しわたしは安心したようにも思う。白い枕カバーやふとんカバーと素肌が触れた「彼女」が「ふしぎな慰め」に包まれる、という場面があるが、この作品がまさにそのような作品だった。とてもうすいガーゼに包まれて、傷だらけでも、あなたはここで息をしていいと、いってくれる本。
「白いもの」について語られるため、それではない色や光や影のコントラストが鮮やかで、美しかった。
ハン・ガンと共に「恢復」していくような読書体験だった。
Posted by ブクログ
まず私にはきっとこの本のことを何も理解できていないんだろうということはわかる。
わからないけれどただただ美しい文だと感じた。これを韓国語で読めたらよかったと思う気持ちと日本語翻訳の美しい言葉への感動を同時に感じる。
英題よりも韓国語の題名が美しい。だけど日本の題も負けてない。むしろ美しいと思った。この文を題にしようと思ったこと、この文をこれほど美しく訳せることに感動。
読書の素晴らしさと外国語文学の面白さを感じた本だった。
そしてこの本を読んで感じた死の乗り越え方は私にとって興味深いものだった。私もこんなふうになれるのだろうか。
文庫本で読んだが、単行本が美しく購入した。こんなお金の使い方は